2021.07.06
『自分も楽しみ、他の人にも喜びを与えられる。大切な人生を、こうした心構えで送りたい』。パナソニックを創業した松下幸之助さんの名言です。
そんな幸之助さんを敬愛しているのが、吾妻カラオケクラブ会長・高橋文好さん(71)です。とにかく音響と歌は、独学の「趣味が高じてしまった」という玄人はだしなのです。
事の始まりは、操業当時のパナソニック朝日に勤め、月給1万3千円だったころ。「カラオケ」という言葉がなかった団塊の世代。音楽好きだった父の影響もあって、音響に興味を持ち始め、会社の盆踊りの音響係を務めたことがきっかけで、11万円の音響機器を購入してしまったという。
あれから40年。いつの間にか、自宅の10畳の2部屋が音響機器で埋め尽くされ、スピーカーは60セットに。自ら主宰する「ふるさとカラオケクラブ」にも、自前の23万曲入りのカラオケ機器、音響機器を置いています。町内外で数多くのカラオケ大会を企画・運営しているそうです。
今年1月、コンベンションホールで行われた「カラオケ忍者紅白歌合戦」では、音響などの舞台裏を切り盛りしていました。
カラオケを通じて、交流の輪が広がった。「メンバーは、みんな年上。元気な歌声を聴くのが本当に楽しい。『年をとると、やることがない』を減らしていきたいし、趣味で貢献できるのは、とてもうれしい。人生で、今が一番充実しているんだよね」と屈託がない。
古希を過ぎても、「まだまだ知らないこと、わからないことがたくさんあります。先輩、仲間から教わるので、不安も心配もない。そして、何事も『努力』です。これも、松下幸之助さんの教えですよ」
若い人たちへの応援歌に聞こえます。(O)