2021.08.13
2016年、NHK大河ドラマ「真田丸」の放送による町の賑わいを見て、「何かがあれば町にも集客できる」と実感できた。
と、同時に「東吾妻町の名物は何?お土産は何がお薦め?」との声をたくさん耳にした。
しかし、「これがおらがまちの名物です!」と自信を持って言える物が無かった。
そこで2017年「おらがまちづくり食特産品プロジェクト」を立ち上げた。
まず、「町の強みは何か?」「ターゲットは?」を掘り下げ、
町の理想像・未来像・展望からどのような地場産品を使った商品を開発していくか、についてアイディアを出し合い、
基本的な戦略を検討した。
町では、環境と健康を考えたやまと豚が飼育されている。
やまと豚は2015年には国際味覚審査機構の審査会にて三ツ星を受賞している。
その後も2019年まで5年連続で三ツ星を受賞したほどおいしい豚肉だ。
俺たちはこんにゃくに育ててもらった。
こんにゃくのおかげで俺たちは大学にも行けたし、留学も出来た。
だから、こんにゃくは絶対に外せない!
たくさんのアイディアの中からこの2点を中心に商品開発が始まった。
こんにゃくは、英語圏では「Devil’s Tongue(悪魔の舌)」などと呼ばれている。
その由来は食品の方ではなく、植物としてのこんにゃくが咲かせる花にあると言われている。
こんにゃくの花は、天に向かって真っすぐに伸びた棒状のものが、1枚の花びらに包まれているかのような形状。
水芭蕉の花にも似ているが、白く美しい水芭蕉とは対照的に濃い赤紫色で腐ったような強烈な臭いがする。
この近寄りがたさを感じさせる外見と臭いから「Devil’s Tongue」と呼ばれるようになったらしい。
ちなみにこんにゃくの花が咲くのは数年に1回だけ。
畑では花が出来る前に収穫してしまうため、実物を目にする機会はあまりない。
こんにゃくの花は珍しいことから、【世界に誇れる東吾妻町の名物を作ろう!】と、ネーミングの方向性が決定。
商品名は「デビルズタン●●」もしくは「●●デビルズタン」。
次は、販売するためのターゲットの設定。
2015度に策定された「東吾妻町まち・ひと・しごと創生総合戦略」では
若年層世代の人口増の実現を目指していることから、いわゆる「若者」をターゲットとした。
ネーミングとターゲットが確定したことにより
メンバーから「ハンバーガー」というアイディアが生まれ「デビルズタンバーガー」(DTB)という名前が出てきた。
次は、実際にバーガーの試食会を実施。
こんにゃくを入れたパンとやまと豚のハンバーグ、町の特産品でもあるりんごのソースとレタス・トマトにマヨネーズを加えたレシピ。
最初のDTBは、このレシピから出発した。
「見た目・味・量・形・価格・具材・ソース・バリエーション・付け合わせ・こんにゃくの入れ方」などの、
試行錯誤は続いた。
この時、DTBメンバーは、どこに行ってもハンバーガーのことが頭から離れなかった。
「ファストフード店のはしごをした」「珍しいハンバーガーを販売しているというお店に足を運びまくった」。
あの頃は、メンバー全員が、世の中で販売されているハンバーガーを全て食べ歩いていたのではないかと思うほど。
ライングループの投稿がハンバーガー一色だったことを懐かしく思い出す。
商品開発を行うと同時に、販売店舗を確定していった。
こんにゃく入りのハンバーグにするにあたり、製造してもらう予定の業者から「こんにゃく粉」でないと製造ができないという回答をもらっていた。
東吾妻町産のこんにゃくと指定があったため、こんにゃく粉の製造が時期的・経済的に困難だという問題にも直面していた。
この時は、道の駅あがつま峡で販売することになったのだが、
道の駅あがつま峡はレストランではないので、設備もレストランのように充実しているわけではない。
デビルズタンバーガーのメインである「ハンバーグが焼けない!」という問題にも直面する。
ハンバーガーなのにハンバーグが焼けないなんて…
町内産こんにゃく粉の調達が難しくなっていた矢先の出来事。
販売時期が決まっているのに、肝心な商品化が追い付かない!!
これと同時に、製造予定の業者から「こんにゃく粉」でないとハンバーグ製造ができないという回答が届く。
町産こんにゃく使用のため、こんにゃく粉の製造が時期的・経済的に困難だという問題が発生。
この状況を踏まえ、実行委員会では【目的の明確化】を再度行った。
副題は、DTBを通して届けたいもの。
メンバー間でまさに侃々諤々(けんけんがくがく)の議論の末、ハンバーグをメンチに変更することにした。
暫定的なので、名前も【デビルズタンバーガー0(ゼロ)号】。
道の駅あがつま峡のみで販売し、なおかつ期間限定商品。幻のデビルズタンバーガー。
課題に直面し、その解決を図ることでメンバーの心が一致団結し、開発に拍車がかかった。
販売のための、ポスターやチラシ、のぼり等の販促品も同時に制作を始めた。
塚田精肉店の塚田夫妻と試行錯誤を繰り返し、こんにゃく入りのやまと豚メンチカツをなんとか形にすることができた。
実行員会の中では相変わらずDTBゼロ号からの脱却を図るべく、見た目や機能性、ターゲットの深堀り、
ストーリーの構築などを何度も何度も議論を重ね、更なる飛躍を狙っていた。
夢は、デビルズタンバーガーマップを町内外に配布できるようになること!
目指すは、よこすか海軍カレーです。
https://kaigun-curry.net/